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スイッチオンするのはお前だ  

IDA SOCCER NIGHT SCIENCE 夢に向かう君へ19

 スポーツ選手でも芸術家でも一流と言われる人は、何かのタイミングがあって、その道を一途に、一所懸命に究めようという「心のスイッチオン」をしているものだ。
 そのタイミングが若い時もあれば、苦労を重ねて大人になって悩みに悩んだ末でのこともある。それがいつかは、誰にもわからないんだよ。まあ、誰かへの「恨み」や「妬み」なんかではスイッチオンはしないな。

         *
 昔、カズと話したことなんだが、俺はブラジルに行くのには反対したんだ。「99%無理だ」ってな。
 カズは「1%でも可能性があるなら、それにかける」って。
 だが簡単ではなかった。相手にされない、力不足、偏見……。挫折続きで、「とうてい俺は成功できないんだ」と落ち込んでいたんだ。すでにブラジルで三年目になっていた。絶望にくれていた時、ふとビーチサッカーを眺めていたら、片足の少年が楽しそうにサッカーに興じる姿に出会った。場所はリオのコパカバーナ海岸だった。
 そこでカズは「あの子があんなに楽しそうにサッカーやってる」って思った。その瞬間だったって言ってたな。カズの心がスイッチオンしたんだ。
        *
 誰にも可能性はあるんだ。だがスイッチオンのボタンは自分で苦労して、探して、自分で押すしかない。しかし、これが難しいんだ。
 あきらめない奴が何かの機会にポーンって、それまでの苦しみを突き抜ける時がある。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のように、地獄の底でもがいている時に救いの糸が垂れてくる時がな。
 自分で「どうしたら目覚めますか」なんて言ってるようじゃ絶対にダメだな。

揺らがない、捉われない

 最も大切なことは「揺らがない、捉われない」心を持つこと。
 さまざまな外部環境や結果から来るイライラや、勘違い、不安、挫折、堕落の誘惑に動じず、どんな時でも最高のパフォーマンスを発揮できる心の状態、安定した微動だにしない精神状態で、常に前を向き、快い感じが保てる人が成功する人だ。
 宮本武蔵の『五輪書』に「心の持ちやうは、常の心に替る事なかれ」とある。いかなる時も平常心を持って最高のパフォーマンスが出せないと、当時は死につながったのである。
 また「いつくは死ぬる手なり。いつかざるは生きる手なり」(相手を斬った直後でも、身体のどこかに力みがあったり、たるみがあると、次の瞬間には反撃されて死につながる。そうならないように攻撃する時は一心に攻撃せよ)ともある。
 武蔵も常に生き方の思考を磨き、心の状態が挑戦のスイッチオンとなるような生き方をしていたのだろう。
 では、外的なさまざまな事柄に「揺らがない、捉われない」ためにどうするか。「揺らぐ」とは、ウザいとか、ムカつく、がっかりや不安といった、感情が揺れ動いている状態。「捉われる」は、過去の経験に基づいて脳が勝手に意味づけをし、思い込みをつくり出している状態。
 ちょっと結果が出ると俺は上手いと思う。ちょっと失敗すると「俺はどうせダメ」と揺らぐ。チームで監督やコーチ、主将が何かをやるぞと言っても、選手のほうが「(今までやったが)無理だ」と過去に捉われて実現は難しくなる。
 前進するための障害、最大の敵は、相手ではなく、自分の中にある「捉われ」、目標へ向かう間の「揺らぎ」になる。行きたいところへ行けるのに、それをさせない「揺らぎ、捉われ」をつくり出すことに人間の脳は長けている。
 そのために、多くの人は、できないことの理由を探して、脳に何かしらの意味づけをするのである。
 そうした従来の生き方から脱却していくために重要なのが、自分自身の心の状態だ。いくらテクニカルスキルがあっても、人間の心の状態が揺らぎ、捉われていてはよいパフォーマンスは出せない。
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カテゴリ: H30その他

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